地方自治総合研究所

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月刊『自治総研』

2002年8月自治動向Ⅰ


経済財政諮問会議における地方行財政の三位一体議論
 経済財政諮問会議では、小泉改革の柱の一つである地方行財政改革が審議されているが、8月28日に開催された第23回会議では、地方財政の三位一体改革をめぐり塩川財務相と片山総務相との白熱した議論が展開された。
 地方財政の三位一体改革とは、分権時代の自主自立的な地方行財政運営の実現を図るべく、地方歳出への国の関与を廃止縮減し、地方税を中心とする歳入構造を構築するために、①国庫補助負担金の見直し②税源移譲③地方交付税改革を同時に進めていくものである。
 会議では地方税財政制度改革の具体的な進め方について、提案者の片山大臣は国庫補助負担金の見直しと税源移譲を先行させて、続いて地方交付税の見直しを主張したが、塩川大臣はあくまで三位一体で同時進行させて、地方交付税に代わる新たな財政調整システムの構築が急務であることを求めた。
 国庫補助負担金の削減および税源移譲案については、片山大臣がすでに5.5兆円(経常的経費3.2兆円、2.3兆円)の国庫補助負担金削減とこれに相当する税源移譲(所得税→住民税3兆円、消費税→地方消費税2.5兆円)が提案されており、実際に義務教育費国庫負担金約3.2兆円の一般財源化などが議論の俎上に上っている。
 総務省側としては補助金削減や税源移譲による財政調整財源の減少を理由に、地方交付税制度の大幅な改革に結びつけられることを懸念して、あくまで交付税改革は最後という態度で臨んでいる。
 地方税財政制度の改革工程表は来年6~7月を目途に策定される予定だが、同会議における三位一体議論がどのように展開されていくか注目される。
文責 : 飛田博史